航空自衛隊の戦闘機「F-2」が山口県沖に墜落し乗員2人が救助されました。
墜落の原因は現時点で不明であり、一刻も早い原因の究明が待たれます。
このF-2は国産戦闘機という位置付けではあるものの、米国製の戦闘機「F-16」をベースに開発されており、事実上のF-16の派生型です。
これは、政治・外交的な理由から、純国産を断念せざるを得なかったという背景があるからです。
同じような背景で開発された戦闘機に台湾の「F-CK-1」という機体があります。
「IDF」もしくは、台湾の蔣経国元総統の名を冠し「経国」と呼ばれるこの機体は、米国が対中配慮により最新戦闘機の売却を見送ったため、政治的な理由から台湾が自主開発をせざるを得なかったのが始まりです。
その後、米国企業が開発に参加し、F-2と同様にF-16から多くの技術を導入して完成させたものです。
経国の初飛行から約30年が経過しましたが、その後の台湾がおかれた状況はあまり変わらず、台湾が望む最新兵器を売却してくれる国は多くありません。
トランプ大統領の登場で、状況が改善しつつあるとは言え、こと戦闘機に関しては、更新が叶わずアップデートでの対応となっています。
しかし、大陸側の人民解放軍を見てみれば、次々にステルス機を含む最新鋭機を導入し、その数も増加の一途です。
人民解放軍に対抗する上で、古い戦闘機を更新しなければならない事情は、日本も台湾も同じです。
折しも日本は、F-2戦闘機の後継機開発の検討に入っています。
現代の戦闘機は、一国での開発は技術・コストの両面で不利と考えられています。
日本としては当然米国との協力を模索していますが、一方で台湾との連携も検討してはどうでしょうか。
台湾は、一部の兵器開発で高い水準を持っていますし、何よりも実現すればスケールメリットが期待できます。
我が国は、「自由・民主・信仰」という価値観を持たない国から日本を守るため、勇気を持って台湾との安全保障面での連携を推し進めるべきではないでしょうか。