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2019/02/20【ブレグジットの混乱で英国が中国になびかないか】

 ホンダはイギリスにある欧州唯一の自社工場を2年後に閉鎖する計画を発表しました。

 現地では、Brexitにまつわる混乱がホンダの決定に影響したと考えられており、3千人以上もの雇用が失われるとして衝撃が走っている模様です。
 

 ホンダはBrexitの影響を否定していますが、ホンダだけでなく他の自動車メーカーもイギリスでの生産計画の縮小を発表しており、このままではイギリスの経済に大きな混乱が生じてしまいます。

 こうした中で改めて注目されるのが中国の存在です。

 もしも、イギリスから各国の企業が次々に撤退するような事態となれば、イギリス政府が中国企業との関係を強化せざるを得なくなることが考えられます。
 

 イギリスは、南シナ海などでの中国の覇権的な海洋進出に対して牽制する姿勢を示しているものの、自国の原発新設計画に中国企業の出資を許したり、ファーウェイよる通信インフラ構築に寛容であったりと、もともと経済面では中国への警戒感が高くありません。
 

 中国としても、Brexitの混乱で各国企業がイギリスを見限る状況を、好機と見ている可能性があります。

 イギリスが中国への経済依存を強めれば、必然的に政治・外交の分野で中国に対して強い態度に出られなくなるばかりか、イギリスに欧州攻略の足掛かりを設けることができるからです。

 もしも、こうしたことが現実となれば、中国包囲網の一端に綻びが生じることになってしまいます。

 Brexitそのものは、イギリスが独立国家としての自主性を高める上で必要な選択であったと言えます。

 ですから、日本としては、イギリス政府に対しBrexitの混乱で現地の日本企業や日本人に不利益が生じないように要請するだけではなく、イギリスがEUから円滑に離脱できるよう経済面を含めた具体的な支援を検討すべきではないでしょうか。