社民党は今夏の参院選を党の存亡がかかった選挙と位置付けています。
これは、勢力の減退が久しい同党にとって、今夏の選挙の結果次第では、公職選挙法などが定める政党要件を維持できない可能性があるためです。
旧社会党の流れを汲む社民党は、現在では旧民主党系の政党や共産党などとの政策の違いが分かりにくくなっているようです。
ただ、各政党が「政党要件」をここまで気にしなければならない現在の日本の選挙制度には、少なからず問題があるのではないでしょうか。
憲法には、すべて国民は法の下に平等であって政治的に差別されないとありますし、結社の自由もあります。
にもかかわらず、政党要件を満たす政党の候補者とそうでない政党の候補者では、選挙運動が明らかに区別されています。
過去の判例では、政党は議会制民主主義を支える不可欠な要素であるとし、現在の選挙制度における政党の候補者とそうでない候補者との差は、合理的な範囲としています。
しかし、政党要件を満たす政党とそうでない政党の候補者間の差は、合理的と言えないのが現状です。
所属議員の数や得票率で規定される現在の政党要件そのものには、新規参入を妨げる高い障壁があり、改善の余地があります。
やはり、政党にとって肝心なのは、掲げている政策の中身です。
要件を満たしているかというマナーの問題ではなく、国民にとって必要な政策があるかどうかというマターが重要です。
その上で、掲げる政策の中身をしっかりと吟味して、政策本位で政党として認めたほうが、有権者のためになると考えます。