外国人労働者の受け入れについて、立民党が新たな法案の骨子案をまとめたとのことです(※)。
その中では、外国人労働者を受け入れる企業を認可制とすることや、新たに「多文化共生庁」を新設して行政が連携して支援することなどを盛り込んでいます。
労働力の不足や人口減少が懸念される我が国にとって、外国人労働者を受け入れることは避けて通れない道です。
本来であれば、外国人労働者としてではなく、移民として受け入れることも正面から議論すべきですが、昨年末に外国人労働者の受け入れ拡大に関する法律が成立し、この4月から受け入れ拡大が始まるわけですから、今後、円滑な受け入れに向けての施策を随時検討する必要はあります。
一方、国の許認可権を拡大することは、国全体の経済効率の低下を招きます。
我が国は民間企業が何かをする際に認可申請を行わなければないことが多々ありますが、申請して認可が下りるまでの時間が掛かりすぎる印象があります。
これは、経済が回転する速度を低下させる要因の一つになっていますので、民間の力を引き出すためには規制を可能な限り無くさなければなりません。
また、新たに行政組織を設けて政府の機能を拡大することは、行政コストの増大にも繋がります。
財政赤字の拡大が問題となっていますが、組織の肥大化は赤字削減の流れに逆行しますし、これは更なる消費税増税の流れにも繋がりかねません。
こうした傾向は何も野党だけに限った話ではありません。
政府は、規制緩和を唱えますが既得権に縛られてなかなか進みませんし、すぐに「○○庁」新設という議論になりやすいという印象もあります。
問題を解決するために必要なのは、新たな行政組織を立ち上げることではなく、政策の中身であるということを忘れてはならないと思います。
今の国会は、与野党ともに「大きな政府」を志向しているように見えます。
大きな政府とは、言葉を変えれば重税国家であり、国民の自由を奪うものです。
ですから、国を自由で豊かな方向に導くには「小さな政府」を目指すことが大切ではないでしょうか。
※:2月14日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20190214/k10011814121000.html