厚労省の統計不正の問題で、実質賃金の伸び率が問題となっています。
政府は統計不正の如何に関わらず実質賃金が増えていることに変わりないとしています。
しかし、統計上の実質賃金が伸びていたとしても、私たち国民の間では、賃金が増えているという実感がありません。
確かに、賃金を増やしている企業は少なくありません。
業績が好調な企業はもちろんですが、深刻化する人手不足への対応や、最低賃金の上昇で賃金を増やさざるを得ない企業があるからです。
しかし、いくら賃金を上げても、それを上回るペースで、所得税が増税となったり、社会保険料を値上げとなったりしているので、労働者が賃金アップを実感できる訳がありません。
実質賃金は、物価の上昇率を加味して算出している数値であって、実際の手取り額ではありません。
政府が、賃金アップで消費が活性化することを意図しているのであれば、実質賃金の伸び率ではなく、給与の手取り額や可処分所得で議論することも重要ではないで
しょうか。
そうすれば、如何に減税が必要であるかということや、如何に社会保障費の負担を減らさなければならないかということが認識できると思います。
加えて、昨今の働き方改革で、残業が減り、その分の給与が減ったという労働者も少なくありません。
大切なのは、いかに賃金が増えているかということを実感してもらうことではないでしょうか。