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2019/01/21【安直に最低賃金を統一すると弊害が】

 自民党内に、最低賃金を全国一律で統一することを目指す議連が発足しました(※)。

 現在の最低賃金は、厚労省が地域の実情に合わせて都道府県別に設定していますが、最高は東京の985円、最低は鹿児島県の761円と、224円の差があります。

 議連としては、この差を無くすことで東京への一極集中を是正する狙いがあります。

 確かに、東京一極集中の要因として、高賃金を求めて労働者が集まることもあるでしょう。

 しかし、要因はそれだけではないので、最低賃金を統一しただけで一極集中が緩和されるのか疑問です。
 

 むしろ、最低賃金を全国一律にすれば、安価な労働力を求めて事業所を地方に置くメリットは無くなります。

 また、全国一律にすることで最低賃金が大幅に上がる地方では、企業の賃金支払い能力には限りがあるので、最低賃金で雇用している事業所では解雇や雇止め(やといどめ)が増えることも予想されます。

 これは企業の業績悪化にも繋がります。
 

 選挙の度に、左翼政党から最低賃金の大幅アップや最低賃金を1千円にという主張を聞きますが、保守政党であるはずの自民党からこうした声が上がるのには違和感を覚えます。

 もちろん不当な低賃金は是正する必要がありますが、本来であれば賃金は労働市場において決められるべきものではないでしょうか。

 
 今の日本には、小さな政府を志向する真の意味での保守政党は幸福実現党だけのように思えます。

 ※:1月20日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20190120/k10011784421000.html