昨年の自殺者数は9年連続で減少し20,598人だったと警察庁が公表しました。
自殺者が減少傾向にあることは良いことです。
一方で、19歳以下の若年層では増加傾向にありますし、日本全体の数字も諸外国と比べれば依然高い水準にあります。
ですから、社会全体として自殺者を減らす努力は続けていかなくてはなりません。
自殺を思い止まるには、「なぜ自殺がいけないのか」その理由を啓発することが重要です。
その理由としてよく言われるのが、「家族や友人が悲しむ」ということではないでしょうか。
確かに、愛する家族や友人を悲しませるわけにはいかないと考え、自殺を思い止まる人もいると思います。
しかし、自殺を考える人の多くは苦しみの真っ只中にあり、そうした状況ではなかなか周囲の人を思いやるところまで至らないのではないでしょうか。
しかも、現代は「死ねば何もかも終わり」という唯物的な人生観を持つ人が少なくないので、苦しみから逃れたい一心で自殺を選んでしまう傾向があるように思われます。
やはり、自殺を防止するために霊的真実を知ることが重要です。
死んで肉体が滅んでも、魂や霊といった存在は残ります。
魂や霊が残るということは、苦しみのもとになる考え方に整理をつけない限り、死後も苦しみが続くことになるのです。
これが自殺しても楽にならない理由であり、霊的真実です。
人間があの世からこの世に生まれてくるのは、魂を磨くためです。
もしも、苦しみの無い人生があったとしたら、魂が磨かれることはありませんし、霊性が向上することもありません。
ですから、苦しみはある意味で人生に必要なものでなので、今回の人生も一冊の問題集と思って取り組まなければならないのです。
ただ、人生は苦しみばかりではありません。
たとえ苦しみばかりの人生と思っていたとしても、霊的人生観を取り戻せば、実は神仏の深い慈悲の中に生かされている大いなる喜びを知ることになるのです。