近年、芸能人やスポーツ選手などの有名人が、就職前の若者や子供たちに対し、「仕事は楽しむことが大切」と話す様子をよく見聞きします。
確かに、楽しいか楽しくないかということは、仕事を選ぶうえで考慮すべき要素の一つかもしれません。
しかし、それは仕事を選ぶうえで最も大切な要素ではないのかもしれません。
世の中には、たくさんの仕事がありますが、その中のいくつかを考えてみれば分かります。
債権の回収を行う銀行員、病に犯された患者の手術を行う外科医、刑事訴訟や民事訴訟などの判決を下す裁判官など、いずれも「楽しんで仕事をする」ということからは程遠いように思われますが、どの仕事も現代では必要とされているものです。
ある有名なプロ野球選手が、「オールスターゲームだけは楽しんで参加できる」旨の発言をしていましたが、ファンにとっては仕事を楽しんでいるように見えるプロ野球であっても、普段の試合でベストなパフォーマンスを維持するには「楽しむ」ということだけでは済まないことが分かります。
やはり、仕事を続けていくために必要なことは、如何に世の中に貢献し、やり甲斐を感じるかということではないでしょうか。
仕事においても、自分を高めていく努力が多くの人の喜びとなり、それが自分自身の喜びとなるような人生観を持つことが大切だと考えます。