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2018/12/13【中国に本当の信教の自由を】

 中国共産党政府は、国内のキリスト教地下教会への弾圧を強めています。

 地下教会とは政府非公認の教会のことで、地下教会に所属する信者数は、1千万人とも2千万人以上とも言われています。

 今回、中国当局が地下教会の信者を100人以上連行したとのことです(※)。
 

 中国共産党とローマカトリックの総本山であるバチカンの法王庁は歴史的に対立してきましたが、今年、法王庁側が譲歩して関係を改善しました。

 具体的には、司教の人事で中国共産党が推す人物を法王庁が追認する形となり、法王庁の権威は大きく揺らいでいます。
 

 ですから、中国共産党による地下教会の弾圧は予想されたことでした。

 ある意味で、法王庁が、中国共産党が公認する教会のみにお墨付きを与えたことになるからです。
 

 中国共産党は無神論であることを公言しており、共産党員には信仰を持つことを事実上禁じています。

 その中国共産党が公認する宗教に入信したところで、本当に神仏に繋がる行為となるのでしょうか。
 

 そう考えると、中国共産党の支配が及ばない教会に所属して「信仰を守る」ということは、中国政府に反抗する行為になります。

 よって、中国では、共産党公認の宗教以外の信仰を持てばいつ逮捕されてもおかしくありません。

 中国共産党は、中国には信教の自由があるとしていますが、これでは明らかに信教の自由が無いということになります。
 

 民主主義の基礎には、信教の自由があります。

 信教の自由から、信仰を告白する自由としての表現の自由など様々な自由が派生してきたと言えるのです。

 国際社会は、中国に信教の自由を保障するよう強く求めていくべきです。

 特に日本政府はこの問題にもっと関心を払うべきではないでしょうか。

 ※:12月12日付産経新聞https://www.sankei.com/world/news/181212/wor1812120025-n1.html