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2018/12/14【中国企業の通信機器問題にみえるドイツの親中度?】

 米国は同盟国の政府に対し、安全保障上の懸念から中国企業のファーウェイなどの通信機器を使用しないように要求しています。

 オーストラリアなどは既に要求に基づいて該当企業の通信機器を排除する方針を示していますし、日本政府も対象となる企業名は挙げなかったものの、事実上、排除する方針を示しています。
 

 一方で、ドイツは次世代通信網の構築にファーウェイの通信機器を排除しない方針を示しています。

 その背景には、ファーウェイの通信機器を排除したところで、通信網全体の情報漏えいやサイバー攻撃のリスクは変わらないという考えがあるからとされます。

 こうした方針は、ドイツ国内でも見直すべきとの声も上がっているようですが、経済面で中国との良好な関係を維持したいというドイツ政府の思惑も見て取れます。
 

 しかし、サイバー攻撃を行ったり情報を盗み出そうとしたりする際に、ネットワークセキュリティの脆弱性を突くのと、あらかじめネットワークに仕込まれた悪意ある機能を利用するのとでは、難易度が全く異なります。

 そもそも、攻撃側にメリットが無ければ、通信機器に悪意ある機能を仕込んだりはしないはずです。
 

 よって、中国に外国の安全保障上や経済活動上の機密情報を得るという意思と能力がある以上は、疑わしい中国製の通信機器を使用しないことが、ネットワークセキュリティを確保するためには必要だというのがこの問題の背景です。
 

 ドイツをはじめヨーロッパ諸国は、脅威としての中国の認識が高くないように思われます。

 しかし、中国は自由・民主・信仰という欧米の価値観とは異なる考え方を持っています。

 その中国が覇権を握らないようにするためには、情報通信という最先端分野でも万全の防波堤が必要だという認識を持つべきではないでしょうか。