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2018/12/12【米国にとって露より中国が脅威】

 米国のポンペイオ国務長官は、中国がロシアよりも欧米への脅威となるかを問われ、疑いの余地はないとの認識を示しました(※)。
 

 中国の外交姿勢、軍備拡大の内容を見れば、覇権を目指す意思と能力があることは明らかですから、国務長官の認識は当然といえます。
 

 ここで外交や軍事の常道からすれば、米国はロシアと結んで脅威である中国に対抗すべきなのですが、米国民の間にあるソ連時代から続くロシアへの敵意はなかなか消えないようです。

 実際、毎年行われている米国民に対する意識調査でも、ロシアに対する好感度は中国よりも低い状態が続いています。

 ですから、トランプ政権の対中認識はまだまだ国民の間に浸透しているとは言えません。

 こうした背景もあって、トランプ大統領に対してロシア疑惑の執拗な追及が続いているのだと思いますし、トランプ大統領自身もロシアに対してなかなか融和的な姿勢を示せずにいるのではないでしょうか。

 しかし、日本にとっても日米露の三か国で中国包囲網を築くことは極めて重要です。

 日本として、死活的に重要な日米同盟を重視すればロシアが離れ、ロシアと関係強化を図れば日米同盟がゆるがせになる、この両方の事態は避けなければなりません。

 
 従って、日本が米露の間を取り持つ役割を担うべきだと考えます。

 そのためには、日本はロシアへの経済制裁解除を急ぐべきであることは明らかです。

 これは、日露平和条約に向けても追い風になるはずです。

 
 トランプ大統領の目には、脅威の本丸が中国であるということが見えています。

 是非、日本もトランプ大統領を後押しすべきではないでしょうか。

 そして、中国の民主化を実現してほしいと考えます。

 ※:12月11日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20181211-OYT1T50069.html