米軍が潜水艦のアグレッサー部隊を創設するとのことです(※)。
アグレッサー部隊とは、自軍の演習などで敵役となる専門部隊のことで、米海軍のトップガンや空自の飛行教導群(飛教隊)などが有名です。
今回、米海軍の訓練体系の見直しに伴い、能力の向上が著しい中露の潜水艦を想定した専門部隊を創設するとのことです。
ただ、部隊に所属する潜水艦はないとしています。
もっとも、能力の向上が著しい中露の潜水艦は、原潜だけに留まらず、通常動力型の潜水艦も含まれますが、米海軍は全て原潜であり非原子力推進の潜水艦は保有していません。
原潜は非原子力推進型に比べて潜航時間や速力などの点で遥かに優位ですが、非原子力推進型は原潜に比べて小型で静粛性に優れるとされます。
ですから、米海軍としては自軍の原潜を仮想敵にするだけでは訓練として不十分であることは容易に想像できます。
そこで、演習相手として格好の存在が海自の潜水艦ではないでしょうか。
海自の潜水艦は、非原子力推進型としては世界トップクラスの性能を有していますから、アグレッサーとしては適任です。
場合によっては、訓練用に米国への輸出といった道も開けるかもしれません。
一方で、日本の抑止力を高める上で、自衛隊による原潜の保有を検討すべき時に来ていると考えます。
※:11月9日付産経新聞https://www.sankei.com/world/news/181109/wor1811090007-n1.html