中国は、フィリピンと南シナ海での共同資源探査の実施について協議する用意があると表明しました(※)。
中国は、南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張し周辺国と係争中ですが、中国の管轄権は国際法上の根拠はありません。
それにもかかわらず、もしも共同資源探査が共同資源開発に繋がるとなれば、本来はフィリピンのものである可能性が高い資源のその半分を、中国がまんまと手中に収めることになります。
単独で資源開発を実施するための十分な資金も技術もないフィリピンにしてみれば、例え中国に資源の半分を明け渡すことになったとしても、経済的な恩恵を得られる選択をしなければならないという事情があるものと見られます。
もしもフィリピンに十分な防衛力があったならば、こうした屈辱を味わわずに済んだはずです。
中国は、今回の協議は他の国との間の連携の先例となると述べ、南シナ海で係争中の他の国とも共同資源探査を拡大したい意向です。
仮に、中国が日本に対しても東シナ海の尖閣諸島周辺での共同資源開発を持ちかけてくるようなことがあれば、きっぱりと断るべきと考えます。
日中の関係改善の機運の中で共同資源開発といえば聞こえがいいのですが、明らかな日本の資源を中国に渡すいわれはありません。
※:10月29日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20181029/k10011690631000.html