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2018/10/29【国際共同開発でいいの!?】

 航空自衛隊の「F-2」戦闘機の後継機について、自民党の防衛大臣経験者らによる研究会は、国際共同開発を軸に検討すべきとの見解をまとめました(※)。

 既に、防衛省内でもコストなどの観点から日本単独による開発を断念したとの報道もあることから、国際共同開発が既定路線となった模様です。
 

 実は、F-2の開発に当たっても、当初は「F-1」と同様に日本単独で行う計画でしたが、政治的な理由などから結局、米国製の「F-16」をベースにした共同開発となった経緯があります。

 F-2の後継も国際共同開発となれば、パートナーは事実上、米国でしょうから、F-2のときの二の舞となる公算が高いと言えます。
 

 もちろん、米国は戦闘機に関して世界最高の技術力を持っていますから、日本企業にとっても技術を学べる機会となりますし、「F-35」や「F-22」をベースとすれば開発のリスクを減らすことにも繋がります。
 

 しかし、米国が、機体制御に代わるコンピュータのソースコードなどいわゆるブラックボックスを開示するとは限りません。

 また、F-2の後継を商業的にも成功させるには、輸出が欠かせませんが、輸出の際は米国の了承が必要となるでしょうし、何よりも米国が自国の戦闘機を差し置いて日本と共同開発した機体を積極的に売り込むとは思えません。
 

 更に、F-2の後継が導入される2030年代は、ヨーロッパの次期戦闘機の開発時期とかさなります。

 F-2の後継もヨーロッパとの共同開発となる可能性もゼロではありませんが、輸出に当たっては強力なライバルとなるのは確実です。
 

 旧西側諸国の戦闘機で、現在、商業的に成功しているのは米国製だけです。

 イギリスなどの「タイフーン」やスウェーデンの「グリペン」は、何とか数百機単位の受注を確保していますが、フランスの「ラファール」は苦戦しています。

 こうした厳しい市場に打って出るには、並大抵の覚悟では太刀打ちできません。

 先に財務省が防衛費の大幅な圧縮を検討しているとの報道もありましたが、それでは数兆円とも言われる戦闘機開発の費用は確保できません。

 しかし、戦闘機の独力開発は、必ず日本の技術力を高めます。

 ですから、国防債を発行して必要な予算を確保するなどして、日本は国防に資する戦闘機の開発を行うべきではないでしょうか。

 ※:10月23日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20181023/k10011682431000.html