安倍内閣が、来年10月の消費税率10%への引き上げを閣議決定したことを受けて、増税による消費冷え込みへの対策の検討が本格化しています。
その中で、軽減税率の導入が消費者の負担軽減の柱となっていますが、新聞への軽減税率適用も既定路線のようです。
民主党政権時、消費増税を決める際、大手新聞各紙は、日本の財政状況を踏まえれば増税はやむなしという論調で一致していたように記憶しています。
一方で、新聞には軽減税率の適用を求めています。
新聞に軽減税率を適用する理由は、新聞は情報や知識を得るものであり、その価格が上がれば情報や知識を得るために負担が増えるから、ということのようです。
しかし、何も情報や知識を得るものは新聞ばかりではありません。
例えば、大手新聞各紙の1カ月の購読料は3千円位から4千円位ですが、この金額があればスマホやインターネットも契約できます。
ネット情報よりも新聞記事の方が遥かに信頼度が高いことは当然ではありますが、新聞離れが進む若者世代を例にとって考えてみても、同じ金額であれば、新聞を契約する人よりもスマホを選ぶ人の方が多いのではないでしょうか。
新聞各紙の本音としては、「読者が新聞を買えなくなるから」ではなく、「新聞が売れなくなるから困る」ということが誰の目から見ても明らかです。
確かに、マスコミは民主主義を担保するものであり、新聞をはじめとした報道機関の収入が減れば、質の高い記事が減ってしまう懸念があります。
であるならば、正直に「値上げすると売れなくなるから困る」と訴えるべきではないでしょうか。
増税でものが売れなくなって困るのは、新聞ばかりではありません。
よって新聞各紙も消費増税に反対の態度を示して欲しいものです。
その上で、日本の財政を改善する方法はいくつか考えられるのですから、安易に増税に頼らない方法も示して頂きたいと思います。