政府は、先の地震で停止した北海道内最大の火力発電所である苫東発電所が全面復旧するのは11月以降との見通しを示しました。
北海道電力は、老朽化などで停止していた火力発電所や水力発電設備を再稼動するとともに、本州からも電力を融通してもらっていますが、電力供給が追い付かないため、道内での節電を求めて、何とか計画停電を避けたい意向です。
寒さの到来とともに電力需要が増えることが予想され、北海道の電力供給がひっ迫する状況はしばらく続きそうです。
こうした中、停止中の北海道電力泊原発の再稼動を求める声があります。
政府は、安全審査中であり直ちに再稼動はないとしていますが、緊急避難的な電力の安定供給という点では一つの見識ではないでしょうか。
泊原発の安全審査が遅れている理由の1つは、周辺の活断層をどう評価するかに時間が掛かっていることがあります。
中でも、敷地内の断層と見られる地形が活断層であるか否かという点が、再稼動の是非を大きく左右します。
しかし、国内には数限りない断層と見られる地形があり、その一つ一つを危険と判断していては、原発だけでなくあらゆる建物も危険ということになってしまいます。
よって、そもそも活断層であるか否かという点を再稼動の是非を判断する根拠にすること自体無理があるのではないでしょうか。
今回の地震ではノーマークの断層が動いたと見られていますが、活断層による地震予知は外れているので、活断層を絶対視すべきではないことが分かります。
安全が確立されていない原発を軽々に再稼動する必要はありませんが、今までの実績も踏まえ一定の安全が確保されていると判断できれば、今回の電力危機を乗り越えるために原発を再稼動することはあり得るのではないでしょうか。
万が一、外交上の問題で日本に化石燃料が入ってこなくなった場合、火力発電や再生可能エネルギーだけでは、日本の電力需要をまかなえないことが考えられます。
その際も原発の早期再稼動の是非が問われることになるはずです。