日中外相会談が行われ、関係改善に向けて両国が行動することで意見が一致しました。
具体的には、日中首脳会談の実施や自由貿易体制の維持、知的財産の保護の必要性などで意見が一致したとされます。
中国は、米国との貿易戦争の渦中にありますが、当局の記者会見などで表向き米国の関税引き上げに一歩も引かないとする強い姿勢を示しているものの、実際は、習近平政権を支える好調な経済に悪影響が及ぶことに戦々恐々としています。
ですから中国としては、とりわけ経済面で日本を中国側に引き入れたい思惑があるようです。
実際、今回の外相会談でも、あれほど強硬な姿勢を示していた沖縄県の尖閣諸島や南シナ海の人工島の問題についても、中国側は「両国の食い違いはしっかりコントロールしていく必要がある」と述べる(※)に留まり、これ以上の関係悪化を避けている様子が伺えます。
しかし、日本はしっかりと米国に追従して、中国に対し強い姿勢で臨むべきではないでしょうか。
今回、日中で意見が一致したとされる自由貿易体制の維持や知的財産の保護についても、中国は口先だけという疑念が拭えません。
なぜなら、6年前に尖閣諸島を日本政府が国有化した際には、中国は報復として日本へのレアメタルの輸出を制限したことがありますし、約10年前にJR西日本が中心となって中国に新幹線を輸出した際には、その後、中国は日本の新幹線技術を盗用し国産技術と称して中国全土に新幹線網を構築し、更には輸出にも乗り出しているからです。
こうした前例は枚挙に暇がありません。
日本は、このまま中国に抱き込まれて、自由貿易を盾に米国を批判すべきではありません。
むしろトランプ政権による貿易戦争を好機と捉えて、中国が覇権主義や人権弾圧を止め自由や民主主義、信教の自由を受け入れるように、交渉を進めていくべきです。
※:8月3日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20180802/k10011560871000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_036