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2018/08/02【脳死の議論を避けられる再生医療】

 パーキンソン病の根治に向けて、iPS細胞を応用した臨床試験が始まります。

 徐々に体が動かなくなるパーキンソン病は、難病の1つで現在の医療では根治できないとされています。

 今回の臨床試験で効果と安全性が確認できれば、国内に15万人いる患者にとって大きな希望となります。

 知人に、長年、パーキンソン症候群を患っている方がいますが、厳密な意味ではパーキンソン病ではないものの、そうした患者にとっても今回の臨床試験は大いに期待できるとのことです。

 その方によれば、パーキンソン病は難病の中でも発症メカニズムが比較的解明されており、20年以上前から「あと5年もすれば治療法が確立される」と言われ続けていたそうです。

 しかし、無情にも月日は流れ落胆していたので、「今回こそは」という思いが強いと話していました。
 

 
 パーキンソン病に限らず、治癒の見込みがない病への対処法に、移植医療があります。

 近年では、臓器移植法が改正され移植の件数が増えています。
 

 しかし、いくら患者の生命を救うためとはいえ、心臓が動き体温が暖かい“死体”から臓器を取り出すことには、未だに違和感があります。

 実際、医学的に定義される「脳死」は、霊的な視点からは人の死ではありません。

 科学的な解釈を一義的に信じる人であっても、人の死という極めて宗教的な現象について、宗教的の立場から「脳死は人の死ではない」と言われることに対しては、少なからず合点がいくのではないでしょうか。
 

 ですから、再生医療の研究は、脳死の議論に関係なく進めることができるので、医療の方向性としても希望が見い出せるのではないでしょうか。

 是非、治療法として確立して頂きたいと思います。