7月
24

2018/07/24【ホルムズ海峡が封鎖されたら】

 米国のイラン核合意からの離脱で、米国とイランの関係が悪化していますが、米国による制裁強化に反発して、イランがホルムズ海峡の閉鎖を示唆しました。
 

 イランはこれまでもホルムズ海峡の閉鎖に言及したことがあり、その度に関係国との間で軍事的な緊張が高まりました。
 

 
 今回、イランがどの程度、本気なのかは分かりませんが、仮に、ホルムズ海峡が封鎖される事態になれば、日本の原油輸入量の8割が調達できないことになります。

 日本の原油備蓄量は、1年分の使用量にも満たない量ですから、私たちの生活に与える影響は計り知れません。
 

 しかも、ホルムズ海峡の封鎖は、中東全体を巻き込んだ戦争に発展するリスクもはらんでいます。
 

 ですから日本としては、米国とイランの双方と良好な関係を築いていることから、仲裁役を買って出ることも検討すべきですし、十分な原油を輸入できない事態を想定して、原発の例外的な再稼動を認めるのかといった議論を深めておく必要があります。
 

 また、ホルムズ海峡の封鎖には、一般的に機雷の敷設と対艦ミサイルによる攻撃などが想定されますが、日本への影響が大きいだけに、それらの対処に日本としてどう関与するのかも検討すべきではないでしょうか。

 国会で集団的自衛権の行使容認が決まった際に、機雷封鎖を想定した議論も行われましたが、現実の課題として考える必要があります。