米中の貿易戦争がエスカレートし、世界経済全体に悪影響を及ぼすと懸念されています。
米国が中国製のハイテク製品など800品目以上に25%の関税を上乗せしたのに対し、中国も米国製品500品目以上に25%の関税を上乗せする措置を発動しました。
米中には各国の企業が進出していますし、一つの製品も様々な国からの部品で成り立っていることが多いので、単に米中2国間の問題に留まりません。
報道からは、米国至上主義を掲げるトランプ大統領が、世界秩序に逆らって保護主義的な政策を進めているように見えます。
しかし、中国が米国から不公正に利益を上げているとしているトランプ大統領の主張も嘘ではないのです。
中国は、「政治はマルクス主義で、経済は資本主義」などと言われるので、自由経済のもとで世界第2位の経済大国に躍進したイメージがありますが、中国は自由貿易の旗手ではないのです。
外国企業が中国国内に進出するには様々な規制がありますし、中国国内の事業を畳んで撤退するにも様々な条件を課されています。
また、中国企業は国家から有形無形の様々な優遇を受けていますし、国家ぐるみで産業スパイを行っているとの疑いも後を絶ちません。
世界は、中国市場の大きさと成長の可能性の大きさから、中国に取り入れられようと言いなりになっていた部分が少なからずあるのです。
しかし、世界経済は、中国に頼らなくても、成長できる道筋が無数にあるのではないでしょうか。
ですから、今回のトランプ大統領の政策は、勇気がある決断と言えますし、正義に照らしても妥当なものです。
日本政府は、中国との関係改善の道を探っている最中にありますが、中国におもねるなく、むしろトランプ大統領に同調するべきであると考えます。
不公正な貿易に対する厳しい姿勢は、中国の軍事拡張に歯止めをかけることにもつながるのです。