政府の教育政策の柱の一つが高等教育の無償化です。
海外では、既に全ての公教育を無償化にしている国もあり、家庭の経済力に左右されずに平等に教育を受けることができるとして評価する向きもあります。
しかし、いくら無償化しても、教育そのものの水準を高めなければ、より高いレベルの教育を求めて塾や私学に通う人が出てきます。
つまり、結局は家庭の経済力によって受けられる教育のレベルに違いが生じてしまうのが実態です。
政府は、あたかも「塾にお金が掛かるだろうから、公教育は無償化にします」と言っているように見えなくもありません。
では、教育にそこまでお金を賭けられない私たち国民は、今の世の中でどうすればいいのでしょうか。
ここに一つのヒントがあります。
文科省が昨年春の全国学力テストの結果を分析したところ、生活習慣が学力に影響する傾向にあることが分かったとのことです(※)。
具体的には、日ごろから本や新聞を読んだり、規則正しい生活したりしている子供は、親の収入が高くなくても好成績の傾向があるとのことです。
やはり、コツコツと努力することが報われるということだと思います。
昨今では、ややもすると、まじめにコツコツと取り組むことは効率が悪いと思われがちですが、自助努力の大切さは今も昔も変わっていないことが分かります。
私たちは、自助努力の大切さを胸に刻むと共に、政治は、無償化よりも塾で学力を補う必要のない質のよい公教育を目指すべきと考えます。
このような公教育を作り上げることが、結局は、家庭の経済力に左右されずに高い水準の教育を受けられることに繋がるのではないでしょうか。
※:6月28日付日本経済新聞朝刊