昨年度の税収は58兆円を大きく上回る見通しです(※)。
この数字はバブル期以来の高水準で、所得税収や法人税収が伸びたことが要因とのことです。
所得税収の伸びは、多くの国民には実感が湧かないのが正直なところですが、政府による賃上げの呼びかけが奏功していることや、高水準の株価の売却益などが影響しているようです。
また、法人税収の伸びは、好調な企業業績が影響しているようです。
消費税収も伸びているものと思われますが、大きく影響しているのが所得税収と法人税収であるならば、税収を増やすために必要なのは景気回復であり、消費増税は必ずしも必要でないことが分かります。
4年前の消費増税により景気が落ち込み、消費税収は思ったように伸びませんでしたし、景気が低迷しことによる国民生活へのインパクトはたいへん大きかったと言わざるを得ません。
ですから、消費税は来年10月の増税が既定路線となっていますが、政府には、是非、増税の撤回を検討して頂きたいと思います。
その上で、選挙の前になると盛んになるバラマキ政策の議論は厳に慎まなければなりません。
投資に見合った収入が将来に得られる政策は実行すべきですが、バラマキ政策は財政の健全化を遠のかせるばかりです。
与党は、折角、高水準となった税収を‟バラマキの誘惑”に駆られずに財政の健全化に繋げられるかが試されています。
政府が日本経済が回復局面にあるというのならば、それは財政再建のチャンスであるということを忘れてはならないと考えます。
※:6月23日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20180622/k10011491681000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_032