23日に沖縄は慰霊の日を迎え、戦没者追悼式が開かれました。
亡くなられた数多くの御英霊に心より哀悼の意を捧げたいと思います。
式では、沖縄県の翁長知事が平和宣言を行い、その中で米軍普天間基地の辺野古移設を進める政府を「アジアの緊張緩和の流れにも逆行している」と批判しました。
アジアに「緊張緩和の流れ」があるとすれば、それは先の米朝首脳会談で注目を集めた北朝鮮問題ですが、沖縄の米軍基地は北朝鮮の脅威に対処するためだけにあるのではありません。
在沖縄米軍基地は、中国の脅威に対処するための役割も大きく、中国が3隻目の空母を建造していることが伝えられるなど、中国の脅威はむしろ増大していので、その重要性はますます高まっています。
ですから、翁長氏の発言は、事実誤認と言わざるを得ません。
翁長氏の沖縄を二度と戦場にしたくないという気持ちは理解できますが、あらゆる軍事的なものを遠ざければ将来に渡って平和を維持できると考えているのなら、現実が支配する国際政治の中では幻想ではないでしょうか。
経済的な圧力だけでなく、軍事的な圧力により、北朝鮮は非核化に動き出しました。
軍事力を背景とし拡張を続ける一党独裁国家がある以上、必要な防衛力を整備することは、平和を保ち、自由と民主主義を担保する後ろ盾となります。
73年前の沖縄戦では、沖縄県民のみならず日本全国や世界各地から集まった方々が戦火に倒れました。
大変多くの犠牲を伴いましたが、今日の日本が存在できるのは、そうした英霊の方々のお陰です。
ですから、英霊の犠牲を無にすることがないように、現実に即して必要な防衛力を整備しなければならないと考えます。