韓国の国防相がアジア安全保障会議で、小野寺防衛相に対し「北朝鮮を疑い続けては対話に支障が出る」とし、「大胆な決断を下した北朝鮮を理解してほしい」とも述べました(※)。
同国防相はその後の記者会見で、なぜ北朝鮮を信頼できるのか尋ねられましたが、明確な根拠を示さなかったとのことです。
つい一年前までは、幾度も日米韓を恫喝していた北朝鮮が、今年に入り急に融和路線に転じました。
この心変わりの理由として考えられることが2つあります。
1つは「〝何か切実な理由”があって融和路線を取らざるを得なくなった」、もう1つは「時間稼ぎのための偽りの融和路線」ということです。
1つ目の「切実な理由」とは、世界各国による経済制裁が挙げられます。
プーチン大統領にして「雑草を食べてでも核開発を続ける」と言わしめた北朝鮮ですから、数多くの制裁の抜け道も指摘されていました。
確かに、経済制裁が効果をあげたことは事実でしょうが、この「経済制裁」だけが融和路線への転換理由になったとするには信じ難い面があります。
よって、2つ目の「時間稼ぎ」が、北朝鮮の真の狙いと考えられます。
幸福の科学の大川隆法総裁が指摘しているように、年齢が若い金正恩委員長が、年上のトランプ大統領の残り任期を睨んでいることは確実でしょうし、同じく年上の習近平主席に対してもいつまで権力の座に留まっていることは無いと踏んでいる節もあります。
ですから、今の様な北朝鮮の変節は鵜呑みにはできません。
トランプ大統領は、このような北朝鮮の事情を承知のはずですし、あらゆる手段を残しておくべきですので、中間選挙や次期大統領選を控えて短期的な成果を優先するのではないかというマスコミの憶測が、大統領の本心とは考えられません。
ならば、今回の日米会談でトランプ大統領の本心を支持し、後押しするのが日本の首相の役割だったと考えます。
※:6月2日付産経新聞https://www.sankei.com/world/news/180602/wor1806020031-n1.html