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2018/06/10【セキュリティ対策への意識を高める】

 米軍が開発中の超音速対艦ミサイルなど潜水艦作戦に関する機密情報が中国に盗まれたとの報道がありました。

 開発に関わっている民間企業が狙われたとされ、盗まれた情報量は少なくなかったようです。

 

 米軍が海外で軍事展開する際の柱は空母機動部隊ですが、中国は長年、この空母を主体とした米国の水上艦艇を攻撃する兵器の開発に力を入れてきました。

 一方、米軍の対艦攻撃兵器は、「ハープーン」と呼ばれる亜音速の対艦ミサイルの系列が主役の座を担っている状況が長らく続き、新型兵器の開発に力を入れてきたとは言えませんでした。

 中国の対艦弾道ミサイルの存在が明らかになるなど、ここに来て、対艦攻撃兵器は中国が優位になりつつあるとの認識から、米軍も新型兵器の開発を急いでいた模様です。

 しかし、今回の情報流出により、米軍の優位性の確保に一段と懸念が増しました。

 現時点で情報流出の経緯は不明ですが、開発中の軍事機密データを保存したコンピュータを外部ネットワークと接続していたとすれば、基本的な情報管理の体制が問題となりますし、外部のネットワークと遮断されたコンピュータから情報を盗むことに成功したとすれば、中国のスパイはますます侮れないということになります。

 最近では、中国軍傘下のハッカー集団が北朝鮮のハッカー集団と協力しているとの報道もあります。

 朝鮮半島の融和ムードの一方で、水面間では熾烈なスパイ戦が繰り広げられています。

 
 日本も、今回の一件を対岸の火事とせずに情報管理を徹底するとともに、私たちも、クラウドを含めインターネットに接続された端末の情報を完全に守ることはできないとの認識を持たなければならないのではないでしょうか。