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2018/06/04【防衛装備品開発の実態と展望】

 中国や北朝鮮の脅威の高まりを受けて、日本の防衛費は近年増加しています。

 しかし、中国の軍拡のペース踏まえれば、日本の防衛費は微増に過ぎず、まだまだ十分ではありません。
 

 一方で、日本の防衛装備品に占める輸入の割合は年々増加し2割以上に達しています。

 その輸入先の多くを米国が占めており、米国製品にライセンス料を支払い日本国内で生産する「ライセンス生産」を行っている防衛装備品も少なくありません。

 米国製の防衛装備品は、世界的にも最高性能を有しているとされるものが多い上に、互換性や調達面で日本にとって大きなメリットがあります。

 ですから、米国とは対外有償軍事援助という方法を使って、機密性の高い防衛装備品を調達する仕組みもあります。
 

 それゆえ、調達にあたっては選定作業も行われているとはいえ、米国製品の「指名買い」に近い状況になっていることも事実です。
 

 これが、米国の言い値での調達に繋がり防衛費の増大を招いているとの指摘があります。
 

 確かに、国産を含め、米国以外の到達先を増やして競争原理を働かすことも考える必要があります。
 

  
 しかしながら、日本が開発した防衛装備品を米国に輸出することをもっと考える必要もあるのではないでしょうか。
 

 米国の兵器は、全て自国で開発・生産しているイメージがありますが、実際は、外国から調達したり、外国製品をベースにして改良したりしているものも少なくありません。

 例えば、米海軍が装備している中口径以上の火砲は、スウェーデンやイタリアのものですし、同じく海軍の艦載練習機はイギリス製がベースとなっています。

 また、陸軍の主力戦車の主砲はドイツのものですし、海兵隊のハリアー2攻撃機ももともとはイギリス製がベースとなっています。
 

 これに対し日本の防衛装備品の輸出は、武器輸出三原則が緩和されたにもかかわらず、目立った実績がありません。

 米国との間では、弾道ミサイル防衛システムなどに使われる要素技術の提供に留まっているのが現状です。

 今後、日本の防衛産業を成長させるためにも、米国が購入意欲を持つような防衛装備品の開発を目指すべきではないでしょうか。