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2018/04/29【従軍牧師の存在について】

 過日、自衛隊のイラク派遣で、破棄されたとする日報が存在することが明らかになりました。

 その中には、「戦闘」と記されている部分が複数あることから、「非戦闘地域」に派遣したとする政府の立場と矛盾するとの指摘もあります。

 米軍などが作戦行動を実施しているような明らかな「戦場」とは状況が異なるとは言え、自衛隊員が生命の危険に直面した生々しい現場の様子が記されてるのは事実のようです。

 やはり、何のために民間ではなく自衛隊が派遣する必要があるのか、改めて認識する必要がありそうです。
 

 この日報では、強いストレスにさらされる現場の自衛官のメンタル面への影響が改めてクローズアップされています。

 訓練中の事故などを除けば、日本国内では生命の危機に直面するような状況は考えにくいと思いますが、海外派遣では予想外の事態も起こり得ます。

 そうした状況では、否応にも「死」と言うものを認識せざるを得なくなります。

 ですから、心身に不適応を起こしやすくなり、個人ではどうしようもなくなる場合もあるでしょう。
 

 最近では、自衛隊としても、医学や心理学などに基づいて隊員のメンタルヘルスに力を入れるようになってはいるものの、どこまで効果が上がるか不透明です。
 

 一方、海外では従軍牧師などと呼ばれる役割が存在し、宗教の力によって軍人心身の安定を図る取り組みが一般的に行われています。
 

 日本でも、仏教やキリスト教など特定の宗教に限定する必要は無いと考えますが、例えば、米軍では従軍牧師がどのような役割を担って、どのような効果をあげているのか研究し、自衛隊にも適用できないか検討すべき時にきているのではないでしょうか。