南北首脳会談が行われ、融和ムードに拍車が掛かっています。
国際社会は、過去、何度も北朝鮮に騙されてきたにもかかわらず、「平和を目指す今回の北朝鮮の態度は本物だ」というような論調が勢いを増しているように見えます。
特に、韓国を中心に、このまま一気に朝鮮半島の平和統一にまで進むのではないかと言う期待感も高まっています。
しかし、北朝鮮は今回の首脳会談で具体的な核放棄を約束したわけではありませんし、北朝鮮の最終目標が体制の保障であることに変わりはありません。
北朝鮮の体制を保障した上での南北統一とはどういうことか、よくよく考える必要があるのではないでしょうか。
それでもなお南北融和を推し進めていくというのであれば、常套手段として考えられるものが、南北の共通の敵を仕立て上げ、その敵と対峙することで団結するというものです。
南北の共通の敵としてうってつけなのが日本です。
米中ロは敵に回すと厄介ですが、日本なら強く出てくることもありませんし、歴史問題などいくらでも言い掛かりをつけられるからです。
南北が民主国家として統一されるのであれば評価できますが、それは北朝鮮自身も、その後ろ盾である中国も望んでいません。
南北の融和ムードの裏で、危機が迫っているのは他ならぬ日本だということを認識する必要があります。