4月
16

2018/04/16【懸念される実態】

 人権団体のアムネスティ・インターナショナルの報告によれば、世界各国の死刑執行のうち、イランでは「神に対する敵意」や「預言者への侮辱」など犯罪と認識できない行為に対し死刑が言い渡され、「裁判の進め方に特に懸念がある」とのことです(※)。

 
 しかし、この報告には、死刑の数や罪状を公表していない中国は含まれていません。

 ですから、この報告では推計として中国では年間で数千人の死刑が執行されたと見られるとしていますが、実際はこの数倍の数に上るとの指摘もあります。

 確かに中国では不自然なほど大勢の生体間移植が行われており、移植される多くの臓器が死刑囚から提供されていると見られています。
 

 中国では、昨年、民主活動家の劉暁波氏が、「中国共産党に対する敵意」や「中国共産党への侮辱」を行ったと見なされ、政府の管理下で不自然な病死をしましたが。

 
 冒頭のイランの死刑の数は全体で5百人余りと見られ、人の命の尊さは数で比較できるものではありませんが、死刑の多さで見ても中国は他の国と比較できるような規模ではないことが分かります。

 ですから、本当に問題なのは中国による死刑の実態です。
 

 共産主義は、唯物論の極みと言えるかもしれませんが、唯物論のもとでは、人間は物や機械の延長のような存在と見なされるため、人の命が軽く扱われる傾向にあるのです。

 人間がなぜ尊いのか、その答えを探れば、神の存在に行き着くということを忘れてはなりません。

※:4月13日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20180413/k10011401051000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_002