トランプ大統領は、シリア攻撃を決断しました。
米国を始めとする英仏の3国は、シリアのアサド政権が反政府勢力に対し昨年に引き続き化学兵器を使用したと断定し、再び報復的な限定攻撃を実施しました。
アサド政権の後ろ盾であるロシアの反対を押し切る形で実施された攻撃に、中東情勢の悪化を懸念する声も上がっています。
特に、シリア国内でISが事実上壊滅したことを受けてトランプ大統領がシリアからの早期撤退を示唆したものの、今回、シリアに攻撃を加えたことで、米国の対シリア政策に一貫性が無いなどとして批判されています。
しかし、化学兵器の使用は許さないというトランプ大統領の姿勢には一貫した強い意志が感じられます。
前任のオバマ大統領は、シリア攻撃に踏み切る目安となるレッドラインの1つに「化学兵器の使用」を上げていたものの、事態の悪化を恐れて、結局、攻撃には踏み切りませんでした。
その結果、その後行われたシリアの化学兵器の廃棄作業も抜け穴の多いものだったことに加え、反政府勢力は米国などから十分な支援を受けられず、シリア内戦が長期化する一因となりました。
リスクを取って決断を下すことは、リーダーに求められる資質の1つです。
一見、強硬な決断に見えても、時により大きな悲劇を防ぐことに繋がることもあるのです。
トランプ大統領は、決断を下せるリーダーであることが分かります。
そして、日本にも重要な役割があるのではないでしょうか。
それは、米露の対立が決定的にならないように間を取り持つことです。
ロシアによるクリミア併合、選挙介入疑惑、亡命者の暗殺未遂など、ロシアと欧米の対立に緩和の糸口が見つからない状況が続いています。
G7の内で唯一ロシアとの関係で他国とは一線を画す日本が存在感を示すときではないでしょうか。