米国は、台湾の潜水艦建造計画に米国企業の参加を解禁したとのことです(※)。
台湾は、老朽化した潜水艦の後継艦を配備したい意向ですが、中国の反発を恐れて各国が供与に慎重であるため、自国での建造を計画したものの、技術的に外国の支援が必要な状況でした。
大陸政府側は猛反発していますが、今回の米国の対応は、軍事バランスが大陸側に傾く中で、台湾の防衛能力を強化する上でたいへん重要な判断だと言えます。
もともと台湾は、日本の潜水艦技術に興味を示しており、日本の協力を期待していたのですが、日本も中国の反発を恐れて技術協力は実現しませんでした。
しかし、台湾は日本にとってもシーレーンを防衛する上で極めて重要な存在ですから、台湾防衛に寄与することは日本の防衛にも繋がるはずです。
ですから、事実上、原潜しか建造していない米国よりも、通常型の潜水艦の建造で世界トップクラスの日本こそ、台湾にとって望ましいパートナーなのではないでしょうか。
潜水艦を新造する他に、除籍される海上自衛隊の潜水艦を供与する方法もあります。
老朽化したとはいえ、台湾の現有艦よりも高性能な上に、台湾にとっては手っ取り早く戦力を整えることができます。
場合によっては、第三国経由で供与するのも一つの方法です。
日本は旧宗主国でありながら、台湾に対して残念ながら防衛外交上で冷淡な部分があります。
日本は、経済分野の交流だけでなく、安全保障分野でも台湾との交流を強化していくべきではないでしょうか。
※:4月11日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20180411/k10011399101000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_006