中国の習近平主席は、2015年9月に訪米した際に居並ぶ各国の記者を前に、南シナ海で中国が環礁を埋め立てて造成した南シナ海の人工島を軍事化しない旨を表明しました。
しかし、その後、中国は人工島を着々と軍事要塞化し、今度は、電波妨害などを行う電子戦装置を人工島に設置した模様です(※)。
既に複数の人工島には、大型機の離着陸が行える3千メートル級滑走路や格納庫、大型艦艇が接岸できる護岸、複数の兵舎、各種レーダー、対空火器、対艦ミサイルなど、どれも自国の漁民保護が目的とは到底言えない設備が整いつつあります。
こうした事実から、2015年の習近平主席の発言は虚だったことが分かります。
虚々実々の駆け引きが行われる外交の舞台では、指導者は時に嘘や這ったりを言わなければならない場合もあるでしょうが、その場合は嘘をつき通したり、曲がりなりにも筋の通った言い訳をするものです。
しかし、中国は、南シナ海の人工島について、断固として主権を守ると主張しており、軍事力を使ってでも人工島を守るという姿勢を明確にしています。
核開発を放棄すると約束しておきながら、裏では着々と核開発を行っていた北朝鮮と通じる部分があるように感じられます。
習近平主席が、ここまではっきりした嘘をつくということは、常任理事国の指導者として如何なものでしょうか。
習近平主席の言葉を鵜呑みにして、中国に対して弱腰で臨んだ当時のオバマ大統領の気概の無さも如何なものかと思いますが、国際社会は、こうした中国に対し結束してもっと厳しい姿勢で臨むべきではないでしょうか。
※:4月10日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20180410-OYT1T50085.html?from=ytop_main1