昨日、18歳以上を対象にしたNHKの世論調査にご協力くださいと私の携帯電話が鳴り、その調査の一つが自衛隊の日報に関するものでした。
陸上自衛隊に続き航空自衛隊でも、イラク派遣時の日報が残っていることが明らかになりました。
陸海空3自衛隊のトップである統合幕僚長は、「背信的な行為をしたと言われてもしかたがない」と述べ謝罪しました。
自衛隊内の公文書管理に甘さがあったということは否定できませんから、再発防止に努める必要があることは事実です。
しかし、自衛隊員は国民に背信的行為をしている訳ではなく、国民のために日夜、命がけで任務に就いているという事実も忘れてはなりません。
今回の一連の問題も、政治に問題の一端があることは明らかです。
自衛隊のイラク派遣で、「自衛隊が活動しているところが戦闘地域ではない」などと強弁した首相もいましたが、国会と現場のかい離が今回の問題を引き起こした一因となっているのではないでしょうか。
国会と現場のかい離は、自衛隊の海外派遣だけではありません。
例えば、対領空侵犯措置でスクランブル発進する自衛隊の戦闘機のパイロットも、建前上は警察権の延長として、警察に代わって飛んで行っているのです。
そして、自衛隊は、専守防衛のもと、事実上、先制攻撃ができないため、警告のための威嚇発砲以外は、相手側から攻撃を受けて初めて反撃が許されるのです。
現代の戦闘において、先制攻撃を受けるということは、被害を受ける可能性が極めて大きいことを意味しています。
諸外国と同様に、相手から射撃用レーダーでロックオンされるなど、現場で危険と判断すれば攻撃できるように法律を改正することを検討すべきですが、現在の政治はそれを許していません。
このように自衛隊は、法律上も極めて制約がある中で献身的に行動しています。
一部左翼メディアは、今回の文書管理の問題をもって自衛隊解体論に言及していますが、そうした妄言は理解を得られないのではないでしょうか。