米国のトランプ大統領は、安い鉄鋼製品の輸入が米国の安全保障上の脅威になっているとして、鉄鋼製品などの輸入制限措置を発動しました。
EUや韓国など、安全保障上、重要な国々は除外されたものの日本は除外されませんでした。
これに対し日本政府は、「日本が安全保障上の脅威になっている事実は無い」として、引き続き適用除外とするよう求めていますが、関係者は困惑している様子です。
実際には、日本の鉄鋼製品は代替えの効かない特殊な製品が多いとされ、輸入制限措置で関税が引き上がられたとしても米国は購入せざるを得ないので、日本にとっての影響は少ないと見られています。
しかし、見方によっては、以下のことも考えられます。
それは、特殊な製品が多いからこそ、米国にとって日本製品が不可欠となります。
そうした日本製品が、何らかの理由で滞った場合の影響が大きいはずですので、米国は自国で同等の代替品の製造を促すために、日本からの輸入制限措置に踏み切ったとも考えられます。
もう一方では、米国の対日貿易赤字の額は大きいので、単純に貿易不均衡の是正が狙いかもしれませんが、真意は不明です。
米政府は、日本など安全保障上の関係がある国とは引き続き除外に向けて協議するとしています。
米政府のこうした“ディール”つまり“取引”的な姿勢は、そもそもビジネスマンであったトランプ氏の真骨頂とも言えるもので、就任時から想定されていたものですから、驚く必要は無いのかもしれません。
今後も、トランプ大統領は、貿易面で日本に対して甘い対応はしてこないと考えられます。
ゆえに気を引き締めて交渉にあたる必要があります。