日本年金機構から年金情報の入力作業を委託されていた業者が、その一部の作業を中国企業に再委託していたことが明らかになりました。
今のところ、再委託されていたのは個人名の入力作業であり、マイナンバーなど詳細な個人データは流出していないとのことですが、中国企業に渡ったデータの最終確認はできていない模様です。
この件で政府は、個人情報が第三者に渡った可能性があること自体が問題であるかのような言い方ですし、日本年金機構も契約に反して第三者に作業を再委託したことが問題だとしています。
また、マスコミの多くも、年金情報の漏えいの可能性を問題視するかのような報道ぶりで、中国企業だから問題であるとははっきりと言いません。
しかし、国民の多くが感じている心配は、【中国企業に個人データが渡った可能性があること】なのではないでしょうか。
もちろん、ITが盛んな欧米や低廉なIT技術者が多いインドなどの企業に、再委託をしたとしても問題になったと思いますが、本件の様に中国企業に渡ったということが大きな波紋を広げているようです。
なぜなら、中国の企業というのは全て中国共産党の影響下にあり、中国当局の要請を拒むことはできませんから、中国企業に渡った情報は中国政府にも渡ると考えてもおかしくないからです。
それは、先日も中国企業がQRコードを使った決済システムを日本国内でも展開しようとした際に、日本の各銀行は個人情報の流出を懸念して、その中国企業との提携を拒否したことからも分かります。
実際、中国のサイバー攻撃能力を見くびってはなりません。
今後、更なる懸念があるとすれば、マイナンバーの利用範囲拡大による個人情報の流出です。
あらゆる情報がマイナンバーと関連付けられると、情報が流出した際の影響は計り知れなくなるからです。
確かに、マイナンバーの導入で国民の利便性が向上する部分もありますし、政府としても徴税漏れを無くすことができるかもしれませんが、マイナンバーの利用拡大は思い止まるべきではないでしょうか。