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2018/03/16【高福祉国家を目指せと言っているのでしょうか】

 世界各国の幸福度ランキングを国連が発表しました(※)。

 それによれば、日本は54位で去年より順位を3つ下げ、1位はフィンランドで上位を他の北欧諸国が占めました。
 

 このランキングは、GDPや健康寿命など様々な尺度を総合して算出したものとのことですが、対象となった156の国と地域の中で、日本が中位に甘んじている結果に少なからず疑問を感じます。
 

 なぜならば、日本の1つ上の順位にはバルト三国のラトビアが入っていますし、一昨年のリオデジャネイロオリンピックで様々な社会問題が浮き彫りなったブラジルが日本のはるか上の28位、「世界一幸福な国」として知られるブータンは日本よりはるか下の97位となっています。
 

 国連による科学的な調査ということでそれなりに意味のある結果なのかもしれませんが、幸福感は、本来、その人の主観によるもののはずです。

 ですから今回の調査結果は、「高福祉国家は幸福なんだ」と誘導しているようにも見えます。
 

 しかし、「国家に依存すればするほど幸福なんだ」という考え方には気を付ける必要があります。

 発展繁栄、個人の自由、公正な評価などと言う観点で高福祉国家は相容れない部分があるからです。
 

 勿論、やむを得ない境遇にある方々に対してはセイフティーネットが必要ですが、何もかも国家に依存するのではなく、個人の努力次第でどこまでも伸びていける社会が、結局は多くの人を幸福にするのではないでしょうか。

 ですから、日本が目指すべき姿は、北欧型の高福祉国家に代表される大きな政府ではなく、国家の関与や権限を最小限に留める小さな政府だと考えます。

※:https://s3.amazonaws.com/happiness-report/2018/WHR_web.pdf