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2018/02/26【中国企業と関係を持つということは】

 中国の大手自動車メーカー「吉利汽車(ジーリー)」が、メルセデス・ベンツを展開するドイツのダイムラーの筆頭株主となりました。
 

 メルセデス・ベンツと言えば、自動車造りにおいて世界の自動車メーカーが目標とするような存在です。

 そのダイムラーの経営に、中国企業が影響を与える立場になったということは、自動車業界のみならず経済界全体にとってもインパクトが大きいのではないでしょうか。
 

 
 自動車業界は、EV化、自動運転、コネクティッドカーなど、他業種からの新たな技術が次世代の自動車を造る上でカギになるとされ、メーカー間の再編は避けて通れないと見られています。

 ですから、たとえダイムラーであっても、一社で全ての技術的課題を克服し製品として確立することは難しいと見られています。
 

 そうした中で中国企業がダイムラーと提携するということは、ダイムラーにとっては安定した財務基盤を得られる上に、米国と並んで巨大な中国市場で事業を優位に展開できると算段したのかもしれませんし、吉利汽車にとっては、一躍、ダイムラーの最先端技術を手に入れるということになります。
 

 「経済原理に従ったまで」と言えばそれまでですが、忘れてならないのは、中国企業に純粋な民間企業は存在しないということです。

 つまり、中国企業は中国共産党の影響下にあるということです。
 

 それは、平時は表面化してきませんが、一たび中国と国際的な対立が生じると、政治性を帯びた形で企業活動に強い影響を及ぼしてきます。

 中国企業と関係を持つということは、そうしたリスクがあるということを念頭に置く必要があります。