日銀総裁人事が注目を集めています。
日銀総裁の人事は国会での承認が必要ですが、政府は黒田氏に続投してもらいたい意向であるのに対し、野党側はすんなりと賛同するつもりはないようです。
政府日銀はインフレ目標を年2%と定めてきましたが、この目標は黒田総裁が就任して5年経つにもかかわらず達成していません。
野党などからは、金融緩和によるデフレ脱却は行き詰っているとして政策変更を求める声があがっています。
しかし、日銀の政策としては、黒田総裁の金融緩和路線が妥当ではないでしょうか。
その金融緩和で市場に溢れた資金を、民間の力で経済成長に繋げていくのが理想です。
もしも、民間の力を阻む規制があるとすれば、政府が規制緩和を推し進めるべきですし、民間から新たな知恵が生まれるように後押しするのも政府の役割でのはずです。
特に、金融緩和を実施していながら、消費にブレーキを掛ける消費増税は是非見直してほしいものです。
一方で、金融緩和にもデメリットがあることも事実です。
よく言われるのが、「金融緩和による金利の低下で銀行の金利収入を減らし、銀行業界全体の収益を悪化させる」というものですが、実はそれ以上に問題なのは、「資本主義の精神を駄目にする恐れがある」ということです。
日銀は金融緩和の一環として一部でマイナス金利を導入しましたが、一時的な措置としては必要な場合もあるでしょう。
しかし、マイナス金利が長く続いた結果、集めた以上の富を生まないのであれば、それは資本主義の限界とみなされかねません。
ですから政府日銀は、金融緩和の出口戦略を見極めつつ、富を創出して私たちの生活を発展させるという「資本主義の精神」を忘れませんようにと願う次第です。