2月11日は建国記念の日でした。
2千6百年以上前に、初代天皇である神武天皇が即位したことを記念する日であり、その日以降、万世一系の天皇のもとで日本国の歴史が連綿と綴られてきました。
しかし、最近では、神武天皇が即位した年代を検証できないことなどから、神武天皇の存在そのものを疑う向きもあります。
科学的な証拠を至上とする現代学問の弊害とも言えますが、このままでは、検証可能な物的証拠が存在する年代が日本建国の年となってしまいます。
そして、この傾向が行き過ぎれば、遠い将来、当時の様子が記録されたデジタルデータが生まれた昭和が、日本建国の年とされてしまいかねません。
しかし、人間の口頭による伝承も歴史記録として侮ることはできません。
神武天皇だけでなく、その前の神代の時代も含めた天照大神なども伝承では極めて人間的で詳細な描写があり、モデルとなった人物が実在したと考える方が自然です。
実際、日本における考古学上の発見からも、日本が2千年以上前から文明が存在していたことを示唆しています。
また、現代の歴史は、日本やその周辺の地理が現代とほぼ変わらないことを前提に構築されていますが、その常識を打ち破る説を唱える研究者もいます。
日本の歴史は、中国大陸の影響により開花したかのような言われ方をすることがありますが、日本の歴史は、地理的な関係から中国大陸の影響を受けたことは確かであるものの、日本の歴史の長さを踏まえると、その根底に流れるものは中国文明以外のものである可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
日本の歴史に関して、中国の歴史とその影響に対し卑屈になることはありません。
「日本の歴史の起源は別にある」ということが、今後明らかになってくるのではないでしょうか。