平昌オリンピックは、競技よりも北朝鮮の訪韓団に注目が集まりました。
その訪韓団の金正恩委員長の妹である金与正氏は、韓国の文在寅大統領と会談した際に、早期の訪朝を要請しました。
文大統領は、就任当初から訪朝に意欲的であり、本音では北朝鮮の要請に応じたいものと思われますが、日米との関係、とりわけ同盟国である米国との関係を踏まえれば、なかなか早期の訪朝に踏み切れず苦慮しているのではないでしょうか。
しかし、今回、南北首脳会談が実現した場合には3回目となりますが、事実上、3回続けて北朝鮮側が韓国の首脳を呼び付けた形となります。
南北関係が対等な国同士の関係ならば、3回目ともなれば、儒教の考え方からしても北朝鮮側が訪韓するのが筋ではないでしょうか。
文大統領は、そのようなことは意に介さない様子ですが、韓国大統領の訪朝は、北朝鮮国内での金正恩委員長の権威付けに利用されることは明らかです。
その上で、米韓の結束を分断し、更には、経済制裁に綻びをきたすことができれば、文大統領の訪朝は北朝鮮にとって一石二鳥・三鳥にもなります。
こうした様子を見ると、金委員長は、自身に力のあるところを示したくて、権威づけに躍起になっているように見えますし、何とか現体制を維持しようとしているようにも考えられます。