1月
21

2018/01/21【ロシアへの経済制裁の緩和を】

 ロシアが日本のイージスアショア導入を批判しています。

 イージスアショアは陸上配備型のイージスシステムのことで、増大する北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処するために、日本が米国から導入するものです。
 

 弾道ミサイルが多数発射された場合、どれほどの迎撃効果があるかについては疑問が残りますが、イージスアショアの導入は日本の防衛力を高めるものです。
 

●一方で、これに対しロシアは、イージスアショアに巡航ミサイルを搭載すれば、防衛目的だけでなく、攻撃目的にも使えるとして批判しています。
 

 確かに、イージスアショアはイージス艦のシステムを踏襲しているので、米国のイージス艦が巡航ミサイルを搭載している以上、イージスアショアにも巡航ミサイルを搭載することは比較的簡単かもしれません。
 

 しかし、ロシアは日本が米国のイージス艦と同等の能力を持ったイージス護衛艦を導入した際は表立った批判はしていませんし、航空自衛隊のステルス戦闘機F-35に巡航ミサイルを導入するというニュースが流れた際も表立った反応はありませんでした。
 

 ですから、今回のロシア側からのイージスアショアへの批判は、言い掛かりともえます。
 

●では、なぜロシアがこうした批判をしているのかを考える必要があります。

 現在、ロシアは欧米の経済制裁で苦しんでいます。

 経済制裁の発端はロシアによるクリミア併合ですが、ロシアにしてみれば、歴史的にも住民の数からもクリミアはもともとロシアの一部という認識ですから、欧米の経済制裁も言い掛かりに感じているはずです。
 

 日本も、クリミア併合が中国の力による現状変更を認めることに繋がりかねないため、経済制裁に参加しています。

●しかし、クリミアの現状と南・東シナ海の現状は異なります。

 日本がロシアと協力することは、平和条約の締結、北方領土の返還、対中国包囲の形成などにとって極めて重要ですから、日本はロシアに対する経済制裁を緩和もしくは停止すると共に、米国とロシアの橋渡しを行うべきと考えます。

 親日的で、信仰心もありながら強権を持つプーチン大統領の治世は、日本にとってまたとない好機です。