北朝鮮情勢は緊迫したまま越年しました。
金正恩委員長は新年の演説で、核弾頭と弾道ミサイルを量産し、実戦配備に拍車をかけるように指示したとのことです。
核と弾道ミサイルの開発阻止に向けた国連の掲載制裁は、じわじわと効果をあげているとされますが、実際には数々の抜け道が明らかになり、北朝鮮は開発の手を緩めていません。
このままの状態が続けば、ほどなくして北朝鮮は米本土を脅かす核戦力を保持することになります。
軍事の常道からすれば、北朝鮮が有効な核戦力を保持する前に叩く必要がありますが、武力衝突を避けることを何よりも優先するという考え方からすれば、北朝鮮を核保有国として認めた上で交渉することが現実となってしまいます。
しかし、米国が北朝鮮を核保有国として認めた場合、米国による核の傘が無くなる可能性が生じ、日本にとっては最悪です。
そうなれば、北朝鮮は既に核による威嚇を何度も行ってきたことからも分かる通り、核を振りかざして様々な要求を突き付けてくることが予想されます。
その時、日本は選択を迫られます。
「核攻撃をされるくらいなら要求を飲む方がまし」という考えのもとで北朝鮮に隷属する道を選ぶのか、それとも核装備を行い、力による均衡を実現するのか、いづれかを考える必要があります。
実は、これは中国に対しても同じことが言えます。
さらに、米国は中国と核戦争をしてまでも、日本を守る覚悟があるのか、ということを考えておく必要もあるのです。
「核兵器は絶対悪」という考え方は、理解できない訳ではありませんが、そうした考え方が行き過ぎると、悪意を持って核兵器で脅す国が出現した場合、国家としての主権や自由を失う可能性があることを理解しなければなりません。