政府は、日本が導入するイージス・アショアの導入価格が、1基当たり1千億円近いとの見通しを明らかにしました。
また、この価格は、能力向上の如何によっては更に上がる可能性があるとのことです。
ここで、一つの疑問が湧きます。
それは、イージス・アショアとイージス護衛艦の役割分担など、導入上の整合性です。
イージス・アショアは、基本的にはイージス艦に搭載されているイージスシステムを陸上用に転用したものです。
海上自衛隊が導入したイージス護衛艦は、最初に配備された「こんごう型」の調達価格が、1千2百億円程度と言われています。
今後導入される最新型のイージス護衛艦は1千5百億円以上と見られています。
イージス護衛艦は、改修の必要がある艦を含めミサイル防衛など対空戦闘に対応していると同時に、対艦・対潜、場合によっては対地攻撃が可能です。
更には、哨戒・救難など様々な任務にも対応できます。
イージス艦の価格に占める割合の多くがイージスシステムによるものとされますが、イージス・アショアとイージス護衛艦の価格に、維持費用などを含めて優位な差が無いのであれば、イージス・アショアに代えてイージス護衛艦を導入したほうが、運用の自由度が高まるという考えが出てきます。
高価な弾道ミサイル防衛システムは、今後、中東などでも需要が予想されますが、今のところ米軍以外で導入計画が具体化しているのは日本だけです。
ビジネスマンでもあるトランプ大統領に対して日本政府の価格交渉能力が問われるのではないでしょうか。