自衛隊の巡航ミサイル導入に関連して、地味ですが重要なニュースがありました。
それは、現在、防衛庁が検討して巡航ミサイル3種類のうち1種類または2種類を、航空自衛隊が現有するF-15戦闘機を改修して搭載できるようにするというニュースです。
F-15は米国で最初の配備が始まってから40年以上経つ機体ですが、基本設計の優秀さから改良を重ねることで、現在でも最強の戦闘機の一つとされています。
航空自衛隊でも約2百機を運用しており、要撃任務においては、最新のステルス戦闘機に比肩する高い能力を発揮しています。
しかし、航空自衛隊のF-15は、現代の戦闘に対応した対地・対艦攻撃能力は無いに等しいのが現状です。
対戦闘機戦闘を担う「制空戦闘機」と、対地・対艦攻撃を担う攻撃機の役割分担がはっきりしていた冷戦時代とは異なり、現在では、作戦用航空機の運用の自由度を上げるため戦闘機に様々な任務が求められています。
そこで、航空自衛隊のF-15に対地・対艦攻撃が可能な巡航ミサイルを搭載できるようになれば、日本の抑止力は大きく高まります。
また、今回報道されている長射程の巡航ミサイルであれば、F-15のステルス能力の低さも補うことができます。
日本の南西諸島周辺では、中国軍機に対するスクランブル回数の多さが問題となっていますが、中国軍の艦艇の動きも活発化しています。
現在、南西諸島の防衛を担う戦闘機部隊はF-15の2個飛行隊のみです。
今後、対地・対艦攻撃が可能なF-2戦闘機やF-35ステルス戦闘機の配備の検討と合わせて、F-15に対地・対艦攻撃能力が付与されれば、中国に対する強力な牽制となります。
F-15の改修は全ての機体が対象という訳ではないと思いますが、是非、早急に実現すべきと考えます。