企業の人手不足が深刻化しています。
中小企業庁が毎月発表している倒産原因の中には、「人手不足」という項目が無い為、統計データ上は分かりにくいのですが、原因として最も多い「販売不振」の中には、人手不足が相当数含まれていると予想されます。
知人の製造業の経営者は、「ベテラン社員が退職した際に、新たな人材をなかなか確保できない。だから、受注を絞らざるを得ない」と窮状を話していました。
この問題を解決するには、幾つかの策が考えられます。
1つ目は、「定年の延長など高齢者がやり甲斐を持って仕事をすることができる環境を整えること」、2つ目は「ロボットの導入など省力化に努めて少ない人員で業務を遂行できるようにすること」、3つ目は「移民などの受け入れによる海外からの人材を活用すること」などです。
前出の経営者は、「定年の延長やバリアフリー化、オートメーション化などできることはやってきたが、今の企業体力では限界がある。後は、海外からの人材を活用する為に移民の受け入れに期待したいのが本音だ。以前は、外国人研修生を安価な労働力と考えていたが、今では、日本人と同じ給与水準でも受け入れたい」と話していました。
日本では、移民受け入れに対してはなかなか賛同を得られません。
日本国内でもトランプ大統領の移民制限政策は批判的に報道されますが、では日本はというと事実上移民を受け入れていないので、日本は米国を批判できる立場ではないとも言えます。
しかし、少子高齢化により有効な人口増加策を打ち出せないのであれば、移民の受け入れは日本の発展にとって避けて通れない道ではないでしょうか。
移民受け入れには、治安の悪化や日本人の精神性が薄まることなどを懸念する声があります。
そうした懸念に対しては、日本人としての教育を施す体制整備や、受け入れ先を親日的な国に限定するなど、知恵を絞って解決していく姿勢が大切です。
日本は多くの外国人にとって憧れの国でもあります。
日本が世界のリーダー国家となるためにも、門戸を開くべき体制を創っていくべきではないでしょうか。