日英の間で空対空ミサイル(AAM)の共同開発が現実化してきました。
来年度以降、英国製のAAMに、日本製の目標探知・誘導装置を搭載した試作品を作成し、性能評価を行った上で開発に踏み切るか否かの判断を行うとのことです。
日本は、米国との間で弾道ミサイル防衛システムの共同開発の実績があるものの、敵を直接攻撃するための装備を共同開発することになれば、日本の防衛産業にとっては新たな局面に達したと言えるのではないでしょうか。
対象となっている英国製のAAMは、既に複数の国で運用されており、日英で共同開発した能力向上型が完成すれば、それらの国が採用することが予想されます。
そうなれば、国際情勢次第で実戦で使用されるケースも想定されます。
「日本は死の商人にならない」という考え方からすれば、複雑な思いを抱く人もいるかもしれません。
しかし、現実の国際政治を踏まえれば、有効な防衛装備は、戦争を抑止することにも繋がりますし、有事の際に国や国民を守ることにも繋がるということを理解しなければならないとも考えられます。
そのために、日本が防衛装備品を共同開発し、輸出する上で重要なことは、誰が購入して運用するのか、しっかりと管理することが重要となります。
現実には管理することが困難な場合もあるでしょうが、技術情報の流出を防止する意味でも、今回の英国との案件が試金石となるのではないでしょうか。