第4次安倍政権の発足を受けて、各社が世論調査を実施しています。
その中で、安倍首相が示している憲法9条に自衛隊を明記する改正案について、賛否を問う項目があります。
共同通信の調査によれば、賛成が39.4%で、反対が50.2%であり、過半数が反対という結果でした。
一方、日経新聞の調査によれば、賛成が44%で、反対が41%であり、賛成が反対を上回りました。
同時期に同じ質問をしたこれら2つの調査からは、正反対の結果が得られていることが分かります。
何となく、安倍政権に批判的なマスコミの調査では、安倍政権に不利な結果が得られているような気がしますし、安倍政権に好意的なマスコミの調査では、安倍政権の後押しになる結果が得られているような気がしてなりません。
実際の“世論”の賛否の割合は一つのはずですから、結果が違うというのは、おかしなことです。
各マスコミによって、調べる対象、あるいは質問の仕方に、何らかの相異があるため、世論調査の結果に違いが生じていると考えられます。
そもそも、自衛隊を明記することに反対と答えた人の中には、「憲法9条自体を変えたくない」という人と、「憲法9条の第1項、第2項を残して第3項として自衛隊を追記することに反対で、全面的に9条を変えるべき」という人がいます。
ですから、反対という答えの中にも、正反対の想いがあることを理解しておく必要があります。
このように世論調査は、当てにならない場合があります。
特に、選挙前になると世論調査の報道が増え、その調査結果をもとに有権者の投票行動が影響されるわけですから、マスコミが特定の方向に世論を誘導していないかどうかを注意をして見る必要があると考えます。