内閣府の世論調査によると、政府が力を入れるべき政策として「防衛・安全保障」を挙げた人が36.2%に上り、この政策としては過去最高となりました(※)。
その理由として北朝鮮による弾道ミサイルの脅威の高まりが最も高いと推測されますが、国民の間の防衛意識の高まりは、警鐘を鳴らし続けてきた幸福実現党の果たした役割も大きいのではないでしょうか。
日本が防衛力を高めなければならない理由は、北朝鮮の脅威だけではありません。
もう1つの大きな理由は、独裁国家である中国の覇権拡大です。
今月24日には、中国軍の「H6」爆撃機6機が、沖縄本島と宮古島の間を通過した後、進路を変えて、初めて紀伊半島の沖まで飛行しました。
H6には偵察や電子情報収集を専門とする機体があり、そうした機体が単機で他国の周辺まで飛行することは考えられなくもありません。
しかし、今回は、H6が6機であり、その全てが偵察型や電子情報収集型ということは考えにくく、明らかに攻撃を想定した示威飛行に他なりません。
世界でも爆撃機を保有している国は数えるほどしかありません。
絨毯爆撃や核攻撃を行える爆撃機の飛行は政治的な意味合いも大きく、先日も北朝鮮の挑発に対して米国が朝鮮半島に爆撃機2機を飛行させ北朝鮮を牽制し、北朝鮮は強く反発しました。
日中関係がひとまず落ち着いている中での爆撃機の示威飛行は、軍事的な緊張を作り出す行為です。
小野寺防衛相は、中国側の意図を分析すると述べていますが、日本政府として厳重に抗議すべきです。
さもなければ、中国はこうした行為を繰り返すことになるでしょう。
※:8月26日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170826-OYT1T50091.html