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2017/08/07【ミサイル防衛の延長としての敵基地攻撃能力】

 安倍首相は、防衛大綱の見直しを指示しました。
防衛大綱は、概ね向こう10年間の防衛計画を示すもので、現行版は4年前に作成されました。

 今回の見直しの指示は、北朝鮮の弾道ミサイル開発の進展などを受けての措置です。
 

 ただ、安倍首相は、弾道ミサイルを発射前に叩く敵基地攻撃能力の保有については、慎重な姿勢を示しました。
安倍首相の頭には、防衛大綱の見直しは、あくまでも弾道ミサイル防衛の強化が目的であり、敵基地攻撃は日米安保の中で米軍の役割であるとの考えがあるようです。

 確かに、盾である弾道ミサイル防衛の強化は必要です。
しかし、いくら弾道ミサイル防衛を強化したところで、同時多発的な飽和攻撃を仕掛けられた場合、100%の迎撃成功率を保証することは困難です。

 また、弾道ミサイル防衛の柱であるイージスシステム用のミサイル「SM-3」の価格は、1発あたり数億円から十数億円とも言われており、北朝鮮の初歩的な誘導方式の弾道ミサイルを迎撃する手段としては決して安い装備ではありません。

 更に、抑止力としても、弾道ミサイル防衛の延長として自衛隊による敵基地攻撃能力の保有を検討すべきなのです。

 要は、弾道ミサイルをどの時点で叩くかという問題であるとも言えます。
少なくとも、北朝鮮による2回目の弾道ミサイル攻撃のような事態となった場合は、自衛隊が敵地攻撃を行ったとしても、先制攻撃にならないことは明白ですから、日米同盟の枠内であっても、米軍とともに自衛隊が敵地攻撃を行うことは可能であると考えます。