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2017/08/06【北のICBM完成は安全保障環境を一変させる】

 北朝鮮によるICBM発射を受け、国連の安保理では新たな制裁決議が検討されています。
しかし、効果的な決議が実際に採択され、それが確実に履行されるかというと、期待薄と言わざるを得ません。

 北朝鮮のICBMは、米本土の一部を射程に収めていることは確実ですが、弾頭の大気圏再突入技術はまだ確立されていないと見られています。
しかし、専門機関の分析では、早ければ1~2年以内に、北朝鮮は核弾頭搭載可能なICBMを完成させると言われています。

 こうした中、日本は既に北朝鮮のノドンなどIRBMの射程に捉えられているので、米本土に届くICBMが完成したところで、日本の安全保障への影響はないという見方があります。

 しかし、北朝鮮のICBMの完成は、日本の安全保障環境を一変する可能性を秘めています。

 現在の日米安保条約では、北朝鮮が日本を攻撃すれば米国が反撃することになっていますが、北朝鮮が多数のICBMを保有している状況で、北朝鮮が日本を核攻撃した場合、米国は米本土が核攻撃されるリスクを冒してまで、北朝鮮に核による反撃を行う保証が本当にあるのかということです。

 これは、中国に対しても同様で、時の米国の指導者の決断次第では、核の傘は幻想となります。

 ですから、日本は、非核三原則を撤廃して、最低限の抑止力としての核装備を検討しなければならない状況にあるということです。

 北朝鮮にとって、日本攻撃の優先順位は韓国攻撃などに比べて低いので、むやみに恐れる必要はないとする見方もありますが、優先順位は情勢次第でいくらでも変化するものです。

 政治は、先手先手で対策を講じておくことが“平和を守る”ことに繋がります。

【参考】:8月5日付幸福実現党ニュース「北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、万全の措置を求める要望書を内閣府へ提出」https://info.hr-party.jp/2017/5236/